コーヒー豆選別

コーヒー豆選別

一言にコーヒーと言い表せる事ができても、味や香りには大きな違いがあります。 例えばキリマンジャロと呼ばれるコーヒーは甘さと酸味に優れているし、マンデリンと呼ばれるコーヒーは東洋的な香りと苦みにすぐれているのです。 この様に、各々のコーヒーには、そのコーヒー独自の味と香りを持っているのです。

ですから、コーヒーを楽しむ事は、そのコーヒーの持つ味や香りを楽しむ事と言い換える事ができます。 また、自分自身が最も好む、最も美味しいと感じられるコーヒーを探し出すという楽しみかたもあります。

では、どうして同じコーヒーでも味や香りが違ってくるのでしょうか。 これには、大きく分けて以下の5つの理由が考えられます。

コーヒー豆の種類の違いとしては、アラビカ種やロブスタ種などの大きな品種の違いだけでなく、もっと細かな品種の違いによるものがあります。 例えば、同じコロンビアといっても、アラビカ種の中のブルボン種とティピカ種という違いによって、甘味がずいぶん違ってきます。 他にも、あの有名なブルーマウンテンも、実はアラビカ種の中のブルーマウンテン種という品種なのです。

ただし、同じ品種でも栽培地が違うと当然味が異なってきます。 味の違いが発生する大きな原因は、土壌と気候が上げられます。 特に、栽培地の標高からくる気候の違いにより、かなり酸味の上品さと切れが変わってしまいます。 コーヒーの原産地に近い地域で採れるモカコーヒーは、野性味と味の太さは別格になっています。

さらに、これらが同じ状態でも、コーヒー豆の加工方法によってさらに味に違いが出てきています。 水と酸で果肉を除いた通称水洗式製法では、コーヒーの持つ香りと良質の酸味が楽しめますが、太陽の光を浴びて乾燥脱穀した非水洗式ではなんとも言えぬ円熟したコクが楽しめるのです。

焙煎の違いによっても、コーヒーはまるで別の豆のような味わいを見せてくれます。 コーヒーの高い香りは中煎りからやや深煎りまでで楽しめ、コクと香ばしさはやや深煎りから深煎りで楽しめるようになるのです。 このように、品種や製法以外でも、焙煎する業者によってコーヒーの味が違ってくるものなのです。

そして、最後はコーヒーの入れ方によっても別の味わいを楽しむことができます。 ドリップコーヒーではコーヒーの香りが、エスプレッソコーヒーは濃厚なコーヒーの味わいが楽しめます。 当然、ウォータードリップやサイフォンなどでも、同じ豆を使っても味が変わってしまいます。

普段は、何気なくコーヒーショップで購入しているコーヒーも、さまざまな要因により味の違いができているのです。 例えば、ブルーマウンテンは、アラビカ種のブルーマウンテン種がジャマイカの標高の高いところで栽培された水洗式コーヒーで、通常は中煎り辺りで焙煎されています。 ブラジルやキリマンジャロなどと一口で呼んでいるコーヒー豆の銘柄には、これらの5つの要因によって味が違っているのです。