コーヒーノキは大きく分けて3つの種類に分ける事ができます。 これを3原種と呼び、アラビカ、カネフォーラ、リベリカで構成されています。 生産量に於いては、アラビカ種が主流を占めますが栽培条件が大変シビアなため、栽培が容易で収穫量が多いカネフォーラ種を栽培している地域もあります。 特に、病害虫等によりアラビカ種のコーヒー園が全滅した農園では、カネフォーラ種への転換が見られます。
しかし、アラビカ種は味・香りとも優れ、高価で取り引きされています。 そのうえ、ブレンドして又は単品のままで楽しまむ事ができるため、市場で最もニーズが高い種類となっています。
栽培されている亜種にはブルボン種、ティピカ種、マラゴジーペ種、ブルーマウンテン種等があげられます。 当然、同じアラビカ種と言えども、これらの亜種毎に豆の大きさから香味まで随分違います。
ちなみに、コーヒーノキは観葉植物としても扱われているので、うまくいくと花屋さんでブルーマウンテン種の木を購入できるかも知れません。 最近では、水だけで育てられるウォータープラントとして、コンビニなどでも売られています。 しかし、大概は、コーヒーノキ、または、アラビカ種という表示しかされていないものが多いです。
対してカネフォーラ種では、主にロブスタ種が栽培されています。 ロブスタ種の特徴としては、苦みが強く酸味が少ないため、アイスコーヒーに向いています。 また、抽出したコーヒーの品質劣化が遅いという利点を持つので、インスタントコーヒーにも加えられています。 ロブスタ種は収穫量も高く、病原虫などにも強いという利点もありますが、単価が安いためにもうけが少ないという弱点を持っています。
最後にリベリカ種ですが、基本的に日本国内には入ってきていません。 栽培量もごく僅かで、そのほとんどがヨーロッパに輸出されているそうです。
これらの3原種の主な特徴をあげると以下の表の様になります。
- | アカビカ種 | ロブスタ種 (カネフォーラ種) |
リベリカ種 |
---|---|---|---|
生産量 | 全体の3/4〜4/5 | 全体の1/5〜1/4 | 極わずか |
栽培地標高 | 高い | 低い | 低い |
雨量 | 小雨・多雨に弱い | 小雨・多雨に強い | 小雨・多雨に強い |
収穫量 | 比較的多い | 多い | 少ない |
味 | 味・香共に優秀 | 苦みが強く、酸味が少ない | 苦みが強い |
原産地 | エチオピア | コンゴ | リベリア |
昔に、アラビカ種とロブスタ種を掛け合わせたアラブスタ種という品種が西アフリカの方で作られたという話を聞きました。 が、この品種については全く情報を得ることができていません。