[著述 22th/Sep/2000]

珈琲通の独断コラム 第4回

[美味しいコーヒーとは]

[美味しいコーヒーとは]

さて、コラム第4回です。 前回までのコラムで、美味しいコーヒーは健康にも良いが、まずいコーヒーは体に悪いと記述してきました。 では、今回は、どうやったら美味しいコーヒーが飲めるのかという題目で行いたいと思います。

漠然とうまいコーヒーと聞くと、お気に入りの缶コーヒーの名前を上げる人もいれば、喫茶店の名前を挙げる人もいます。 また、レギュラーコーヒーと言う人もいれば、ブルーマウンテンとか言い出す人もいますし、ネルドリップと主張する人もいるのです。 このように各人によって、意外とコーヒーそのものの認識が異なります。 その中で、ほぼ全員がこれはうまいと納得できるコーヒーとは、どのようなコーヒーなのでしょうか?

[答え]煎りたて、挽きたて、いれたてのコーヒーはうまい。

このように記述すると、極一部の人間(筆者も含む)は一言付け足さなければならなくなります。 が、それは後回しに差せていただきます。 基本的にはこの答えが、本当に美味しいコーヒーとなります。 コーヒー愛好家はこの3つを満たすコーヒーを求めるべきです。

では、何故このように多くの人間がうまいコーヒーという言葉にさまざまな答えを出すのでしょうか。 一つは、コーヒーが嗜好品であるという性格からきます。 しかし、実質的には、二つ目の答えの、コーヒーが漠然としたままの姿で世の中に広がって認識されているからです。

では、一体どのような種類の物事がコーヒーとして認識されているのでしょうか? 大きく分けると次の5つに分けられるのではないでしょうか? コーヒーを使った飲み物、コーヒーを扱っている業者、コーヒー豆の産地やプレミアム品としての名称、コーヒー豆の加工法、最後に、コーヒー自体のいれ方の5つです。 こららのひとつひとつに以下のような具体的な物事があるのです。、

コーヒー飲料全般
レギュラーコーヒー、缶コーヒー、コーヒー牛乳、カフェオレなど
コーヒー販売業者
スターバックス等の喫茶店、コーヒーショップ、UCC等の輸入・流通業者など
コーヒー豆の個別名称
コロンビア、モカ、キリマンジェロ、マンデリンなど
コーヒー豆の加工法
深煎り、炭焼き、ブレンド、フレーバーコーヒーなど
コーヒーのいれ方
ドリップコーヒー、エスプレッソ、サイフォンコーヒー、アイスコーヒーなど

一般的には、コーヒーというと、この5つのの物事がすべてごっちゃになって出てきます。 そして、各人が思いつく物事の中で比較されて、美味しいコーヒーという結論が導き出されているのです。 このため、ドリップコーヒーとエスプレッソを比べている人と、スターバックスとドトールを比べている人、缶コーヒーとインスタントコーヒーを比べる人の間で答えが異なるのは当然のことです。

では、本来コーヒーとは一体どのようなものなのでしょうか? それは、コーヒーノキという木の実を、火で煎ってお湯で抽出した飲み物です。 このように書くと、お茶と似たような感じを受けますが、実質的には似たようなものです。 嗜好品であっても、あくまで農作物のです。

では、農作物を美味しい頂くには、結局のところ鮮度が大きくかかわってくることになります。 コーヒーは生鮮食品ですという標語をコーヒーショップで見かけたことはないでしょうか? コーヒーが生鮮食品であるのは、生の状態だけでなく、焙煎後の過程においても同じ事です。 基本的に焙煎されたコーヒー豆は、湿気を含みやすくなります。 特に、挽いたコーヒーの方がはるかに湿度に敏感になります。 どのように変わるかというと、酸化して香りが無くなり、さらに酸っぱくなってしまいます。 これが、煎りたて、挽きたてのコーヒーが美味しい理由です。 いれたてのコーヒーが美味しいのは、熱でコーヒーの成分が変性していないことと、香りが十分あることです。

従って、美味しいコーヒーを求めるには、コーヒーを扱う店における回転率に気をつける必要がでてきます。 腐らないからと長い月日店頭に置いてあったり、コーヒーを入れた状態のままで保存していたりしては、美味しくないのは当然のことです。 もともと、コーヒーは農作物であることから、より品質の高いものの方が美味しいです。 そして、料理人の腕が最終的に、味を決めるのも事実でもあります。 しかし、十分鮮度が良ければ、品質が悪くないコーヒーを普通に入れる事ができれば十分美味しいのです。 逆に、鮮度が悪くなれば、元がなんであろうとまずいものになっているのです。

結論としては、身近な人間が心をこめていれてくれたコーヒーがおいしいコーヒーともいえるのではないでしょうか? 皆さんも、忙しい中での手軽なコーヒーばかりではなく、ちょっとした時間を使って美味しいコーヒーを飲みませんか?

以上、コラム第4回を終わります。


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