[著述 6th/Nov/2000]

珈琲通の独断コラム 第10回

[コーヒー豆を見てみよう!]

[コーヒー豆を見てみよう!]

いままでになく、大変間が空いてしまいました。 ようやく、第10回のコラムです。

さて、前回までは、いろいろな場所でコーヒーを楽しむことができるという事を記述しました。 が、今回からは、また、より美味しいコーヒーをという点に戻っていきたいと思います。 コーヒーは口に入れるものですから、やはり、美味しいものであるべきなのです。

皆さんはコーヒー豆をどのように入手しているのでしょうか? 近所のコーヒーショップで購入したり、スーパーで購入したり、あるいはコーヒー直販のインターネットサイトで購入されている方もいると思います。 そして、その豆を使って、コーヒーを楽しまれていることと思います。

しかし、多くの方々は、自分が購入したコーヒー豆をそのまま使用していることが多いと思います。 つまり、購入したコーヒー豆の品質を自分の目で再確認されている方がどれだけいるのでしょうか?と疑問を挟む余地があるということです。 勘の良い方は、もう私が何を言いたいのかもうお分かりのことだと思います。 そこで、今回の問いです。 購入したコーヒー豆を、そのまま使用すると言うのは何を意味しているのでしょうか?

[答え]知らぬが仏というやつです。

昔、小学生の頃に、体育の後に水道の水を美味しく飲んだ経験を持つ方は非常に多いと思います。 しかし、その水道水の貯水場の衛星具合は、身の毛もよだつほどのものだそうです。 つまり、健康には直接害さないため、気にかけなければどおってことは無いけど、真実を知るととても飲めなくなるような代物と言うことです。

では、今回の本題に入ります。 焙煎されたコーヒー豆の中に、とても飲みたく無くなるような代物が混入している場合が実際に良くあります。 例えば、虫食いのコーヒー豆や、腐って発酵が始まったコーヒー豆、そして、木片や小石などです。 コーヒーを長い年月飲んでこられた方の多くは、ミルでコーヒー豆を挽いている途中にがりっという音と共に、コーヒー粉に灰色の砂が乗っている状態に遭遇された経験をお持ちだと思います。 各言う筆者も、過去に二度ほどこれを経験しております。 そうです。 コーヒー豆の中には、色々なものが入っている可能性があるのです。

ここに、美味しいコーヒーをいれるためには、こだわりの一仕事を入れる必要がでてきます。 なにをするかと言うと、良くないコーヒー豆を省くことによって、より美味しいコーヒーを実現するのです。 実際に、コーヒーをまずくする要因として考えられるものには、以下のものがあげられます。

どうでしょうか、これらのものを省くことができたらより美味しいコーヒーとなるのが容易に想像できるでしょう。 と、いう訳で、これを省のがこだわりのコーヒーのための一仕事ということです。

では、これらの豆が実際にどのような形で混入され、どうやったら省くことができるのかを述べたいと思います。

まず始めに省き方ですが、広告の裏などの白色の紙の上に買って来たコーヒー豆をざっと広げます。 そして、コーヒー豆を手で軽く混ぜながら、一つ一つを確認していくのです。 省くべきコーヒー豆を発見したら、手で取り除くことになります。 以上、これをハンドピックと呼びます。 良心的な、コーヒー豆挽き売り店や自家焙煎の喫茶店では、予め焙煎前にハンドピックが行われていることもありますが、大半のお店ではあまりされていません。 そこで、消費者の方々のお仕事になってしまうのです。

続いて、取り除くべき不良豆について解説していきます。 もっとも解かりやすい豆の一つが虫食い豆です。 これは、豆に虫が食い荒らした穴が開いていたり、表面にかじった痕跡が残っています。 さすがに、もう虫は入っていないでしょうが、やはり、飲みたくない豆の筆頭にあげたくなります。 広げた豆の中から意外と簡単に見つかってしまいます。

次は、発酵豆とかび豆です。 コーヒー豆の中で色がやけに白っぽいものが残っています事と思いますが、発酵豆がこれにあたります。 カビ豆も表面にカビ跡が残っているので、両者とも色合いで発見し、取り除くことができます。 カビ豆が発生するコーヒー豆は少ないのですが、一目見てアオカビと解かるようなコーヒー豆が混入している場合も稀にあります。 これらは、コーヒーの中にいやみな悪臭を添加させてしまうので、注意して取り除いてください。

さらに、砕けた豆や未成熟の豆なども取り除くべきです。 これらは、焙煎時の焼けムラの原因になりやすく、香りや味の透明性を損なう原因となります。 特に、他の豆よりも極度に小さい未成熟の豆などは、取り除いたほうが無難です。 最後に異物に関してですが、これは論外でしょう。 コーヒー豆を広げると、たまに見つかってしまうのですが、現実問題としては、最も事前に見つけておきたいものでもあります。 小石をミルで挽いたりしていては、大事なミルに傷が付き、そして、せっかくのコーヒーが台無しになってしまいます。

始めは、コーヒー豆の検査など難しいように感じるかも知れません。 しかし、実際にやって見ると意外と簡単です。 しかも、コーヒーが美味しくなるので、きっと習慣付けられてしまう方も出てくる事でしょう。 やってみると意外と楽しいものです。

それでは、何故このようなものが売られているかという点に焦点を当てていきます。 原因は、焙煎前の状態ですでに混入されていたからの一言です。 コーヒー生産国からこのような状態で国内に輸入されていますし、例え、検査をしたつもりでも人間のやることにミスは付き物なのです。 また、一度に何十Kgも焙煎できるような大型の焙煎機を使用しているところを想像してみてください。 膨大な量のコーヒー豆を事前に確認するのでは、人件費がかかりすぎて商売にならなってしまいます。

さすがに、この状態からの差別化として、事前に検査済みでコーヒー豆を輸出している国もあります。 例えば、ジャマイカのブルーマウンテンなどがこれに該当します。 何故、この豆が高いかと言うと、コーヒー豆を検査するための人件費が上乗せされているからなのです。 また、不良豆の混入量が少ない豆も当然存在します。 コロンビア・スプレモやキリマンジャロ、ブラジルのNo.2などがこれに当たります。 ハンドピックをせずに、安心してコーヒーを飲みたい方はこれらを購入されることをお勧めしておきます。 また、ハンドピック済みを歌っているコーヒーショップから購入すると言う手もあります。 個人的には、こちらの方をお勧めしますが、残念なことにこのような良心的な店舗自体が稀少な点が難点となっています。

そもそも、本質的にコーヒーとは口に入れるものなのです。 従って、加熱殺菌したから大丈夫ではなく、事前に自身の目でもう一度コーヒーを見直して見てはいかがでしょうか。 以上、コラム第10回を終わります。


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