ネルドリップによるコーヒー抽出

ネルドリップ

ネルドリップは、ペーパードリップに並びドリップコーヒーの中で最も有名な手法です。 コーヒー抽出の原理は、豆を挽いたコーヒーの粉にお湯を注ぎ、布でこすというもので、ペーパードリップと全く同じです。

ネルドリップの原理
必要な器具はネルと呼ばれる布と、それを支えるヤグラと抽出したコーヒーを入れるサーバー、又は、両者が一体となったボトルとなります。

ネルドリップの器材一式

上の写真の左がネル、右側がボトルとなります。

ネルドリップでのコーヒーの入れ方を説明します。 まずは、ネルをボトル(又はヤグラ)にセットします。

ネルをボトルにセットする

続いて、ペーパーの上からコーヒーの粉を入れます。

コーヒーの粉を入れる

コーヒーの粉は偏りができないように、コーヒースプーン等で平らに整えます。 続いて、数回に分けてお湯を注いでいきます。 まず、第一回目はコーヒーの粉の中央に、湯を置くようにゆっくり落とします。 すると、粉が湯を吸収して膨らみます。 第1回目の注湯は、サーバーに数滴のコーヒーが落ちるくらいの分量が良いといわれています。 第1回目の注湯後、しばらく蒸らして、コーヒー粉全体に均一に湯を含ませてやります。

中央にゆっくりと

膨らんだ中央部が陥没する前に、第2回目に入ります。 2回目以降は膨らんだコーヒーの粉の形を崩さないように、のの字を書きながら中心部に注湯します。 この方法はペーパードリップと同じです。 先の細いやかんを使用すれば、簡単に習得できます。

"の"の字を書いて注湯

コーヒーの粉の膨らみがほぼ一定となるように、お湯を含ませていきます。 注湯する中央部分が膨らみ、茶色い泡が現れます。 注湯は、陥没を起こさないように行って下さい。 また、量が多すぎて、コーヒーの粉全体が泳がないように気を付けましょう。

注湯が進むと中央部の泡がだんだん薄くなってきます。 この頃から、使用した豆の分量と、抽出済みのコーヒーの量の関係を注意しましょう。 コーヒー抽出量が多ければ注湯の量を押さえ、抽出量が少なければ注湯量を多くしましょう。 コーヒーの粉の中央部の泡色が白色になると、コーヒー抽出は終了です。

これでコーヒーの抽出は終わりです。 ネルを取り外してから、コーヒーをかき混ぜ、味を均一なものとしてからカップに注ぎます。

できあがり

コーヒーを楽しんだ後は、後片付けです。 ネルドリップの後片付けで特に注意して欲しいのは、ネルの片付けです。 サイフォンコーヒーの濾過器と同様に、ネルがコーヒーの脂分を含んでいるため、そのままにしておくと酸化してしまいます。 これを避けるのに、冷水に浸して保存する、煮沸して脂成分を煮出すという2通りの方法があります。 前者は、水の入った容器に濾過器を入れて冷蔵庫で保管すれば良いです。 後者は、お湯と一緒に鍋で煮れば良いです。

お湯で煮出す場合