インドネシアのスマトラ島のトバ高原で栽培されているコーヒーで、滑るようなコクと苦み、東洋的な香りが持ち味。 しかし、近年品質管理の悪さから、かび豆を始めとする不良豆の混入率が高くなり、評判を落としている。 持ち味の苦みを生かす深煎りが最も合い、特に、入念なハンドピックの後の深煎りは絶品である。 筆者の最も好むコーヒーがこれである。 プレミアム品にゴールデン・マンデリン(香りと味のバランスが良かった)とマンデリン・トバコ(現物未確認)がある。
インドネシアのスラウェシ島で栽培されているコーヒーで、東洋的な香りを持ち、特に甘みに優れる。 水洗式処理で、非水洗式の豆(マンデリン等)と比べて不良豆の混入率は低い。 ただし、ややコクに欠け、少々酸味が舌に触るところがある。
スリランカでは、病害虫によりコーヒー園が全滅して紅茶の栽培に移行している。 しかし、一部の地域で極少量のアラビカ種の生産が行われている。 この豆も、茶園の横で栽培されていたもので、栽培地の標高は約1,000m、春に雨季を迎える。 香味は、深煎りで発揮する。 希少な一品である。
モカ・コーヒーの発祥となったモカ港のあった、コーヒー生産の老舗中の老舗の国。 気候はコーヒー栽培に最も適合しているが、生産管理が行き届いていないため、品質は劣る。 しかし、入念なハンドピックの後のマタリは特にコクと香りに優れ、まさに絶品である。 中煎りで香りを、深入りで濃厚なコクを楽しむことができる。
アメリカのハワイ州のハワイ島の西部コナ地方で生産されている大柄な豆である。 近年の価格高騰で、ブルー・マウンテンに匹敵する価格がついてしまっている。 持ち味は野性味豊かな酸味で、この味わいはハワイ・コナだけが持っている味わいである。 豆の大きさも均一で、不良豆無く、豆の品質でもブルー・マウンテンに十分匹敵している一品である。
アメリカのハワイ州のマウイ島で生産されている水洗式の豆である。 品種は、エチオピア・モカの同種であるが、栽培地の気候が違うため豆の大きさがかなり小さくなっている(Screen14)。 ただし、豆の粒や水分含有量の均一さ、不良豆の低混入率など、品質的には高い。 香味は、すべてのモカ種よりも甘さに秀でていて、かつ、充分なコクもあるが、酸味が少な目で香りがやや低めである。
アメリカのハワイ州のマウイ島で生産されている水洗式の豆である。 イエロー・カツーラ種は、通常赤色をしているコーヒーの実が黄色のカツーラ種の事。 不良豆の低混入率など、全体的に品質は高い。 香味は、甘味を持ったややこもる香りと、きれのある味わいが特徴。 やや深煎りで、苦味と酸味がけんかするので注意。中煎り向きか。
アメリカのハワイ州のカウアイ島で生産されている水洗式の豆である。 写真の品種はムンド・ノーボ種。 豆自身の品質が良く、均一な焙煎に仕上げやすい。 全体的にくせが無く、すっきりとした味わいながらバランスがとれた香味を持つ。
パプアニューギニア産の大柄の豆。 野性的な風味を持ち、甘味が強く、酸味はやや少ない。 どちらかというと、ハーブやスパイス入りのコーヒーといった感じがする。 豆自体が柔らかいため焙煎途中で割れた豆の混入率が高い。
ロブスタ種で有名なインドネシアのジャバ島産出のアラビカ種の水洗式の豆。 味には定評があるが、マンデリン同様に品質が悪く、特に粒の不均一性と虫食い豆の率が高いため入念なハンドピックを必要とする。 非常に香ばしく、かつ、やや酸味を伴うコクが楽しめる。
紅茶でも有名なインド産のアラビカ種の水洗式。 大柄で不良豆の混入も比較的少ないが、粒の不揃いがやや目立つ。 ややのっぺりとしたチョコレートのような甘い香がする。 味はすっきりとした透明感の中にシャープな苦味が主張し、酸味は少ない。
オーストラリア産のアラビカ種の水洗式。 大きさはややばらつきがあり不揃いが目立つ。 焙煎時には、水分を抜き始めた頃にエメラルド色を浮かべる。 香りは、香ばしさを伴った甘さを持つ。
中国雲南省産のアラビカ種の水洗式。 ブルボン種の苗木を移植して栽培された豆である。 豆は小柄で、大きさ、水分含有量ともにばらつきが目立つ。 数年前は泥臭さが目立ったが、それはようやく取れてきた模様。 香味は、ややスパイスがかり、酸味が少なく苦味が強い。 ただし、香りもコクも少なく、単品では物足りなさを感じる。
中国雲南省産のアラビカ種の水洗式。 豆はやや大柄で、砕け豆やひび割れが目立つが、大きさと水分含有量は均一である。 香味は、香りは低く、スパイス風味を伴った甘味と酸味が強い。 はっきり言ってかなりアクが強い豆で、ロブスタ種に近い。 深煎りで、薄めに抽出しないと非常に飲みにくい。