コーヒー生産量世界弟2位を誇り、最上ランクのコーヒーであるコロンビアマイルドコーヒーの筆頭的存在である。 コロンビアの特徴は、酸味と苦みの調和と香り高さ、そして、甘みである。 中煎りでは高い香りと甘い酸味を楽しむ事ができ、深入りでは調和のある味わいにコクと香ばしさが加わる。どの焙煎でもそれなりに楽しめるというのが結論という豆でもある。 コロンビアで栽培される亜種には、小粒だが酸味の少ないアランサスや甘みに優れたティピカ種等がある。 産地では、メデリン、アルメニア、マニサレスの通称マムス(MAMs)が有名である。 香りを生かすために、ニュークロップ(当年物)が望まれる。 輸出時の等級に大粒のスプレモとやや大粒のエキセルソがある。
コーヒー生産量世界弟1位を誇り、ブラジルの作柄が世界のコーヒーの値動きに大きな影響を与えている。 また、世界大恐慌のコーヒーが売れない時代には、機関車の燃料として石炭の変わりにコーヒー豆が使われた事まである。 そのブラジル・コーヒーの味わいは、酸味と苦味のバランスが良く、ストレートでも十分に楽しめ、ブレンドのベースともなる万能性を持っている。 粒の大きさと欠点豆の混入率等で等級分けされている。
ブルー・マウンテンで有名なジャマイカの隣国のキューバで生産される上質のコーヒー。 酸味と苦味のバランスが良く、多少深煎りにしても上品さは失わない。 が、中煎り程度が甘さ、酸味、香味ともに引き立てる。 意外と個性は感じられない。 全体的に豆の大きさが均一で、不良豆も少なく、煎りムラが小さく仕上がる。
コロンビアの南西の隣国ペルーの有機栽培コーヒー。 やわらかい酸味と甘味を持ち、円熟さを感じる事ができる。 香り良くクセが無いため非常に飲み安いが、その分個性は少ない。 深煎りにすると持ち味を失ってしまうため、やや深め程度が一番バランスが良い。
メキシコの南東の隣国グァテマラのコーヒー。 酸味とコクを持つ、水洗式のアラビカ種。 栽培地の標高別に7段階で名称が変わり、最も高い標高4,500フィート以上で生産されるものはストリクトリー・ハード・ビーンと銘打たれる。 豆自体が柔らかい特徴を持っていて、比較的短時間でムラなく焙煎ができる。 酸味が強いので、深煎りにしてもエスプレッソ・コーヒーには不向きである。
アメリカの南部に位置する大きな国で、大柄の水洗式のアラビカ種を産出する。 やわらかな酸味が特徴。 豆自体が意外と硬く、煎るときと挽くときにやや重労働となるが、香味は逆に非常に柔らかく滑らかである。 酸味がおだやかで、やや南国的な香りを持っている。
アメリカの南部に位置する大きな国で、大柄の水洗式のアラビカ種を産出する。 豆自体は柔らかいが、水分が均一で煎りやすく、品質は全体的に高い。 焙煎時にはやや香りが弱い感がするが、豆を割ると充分に甘みを含んだ香りがする。 乾燥した果実のような香りと、やや舌につく酸味が特徴である。 深煎りにすると苦味と酸味の乖離がやや目立ってしまう。
アメリカの南部に位置する大きな国で、水洗式のアラビカ種を産出する。 豆の大きさ自体がかなりばらばらで、かつ、水分が不均一なため非常に煎りにくい。 豆自体が非常に柔らかく、ナッツやビスケット系の香りを持つのが特徴。 香味は、くすんだような甘さと、切れるような酸味、ほろ苦さが互いに主張しあっている。 ややコクに欠ける感があり、単品ではあまりお勧めできない。
カリブ海のイスパニオラ島の東部の国ドミニカ産の水洗式のアラビカ種。 島の西側の隣国はハイチ。 やや大柄な豆で、大きさも水分含有量も均一で、不良豆混入率も低い。 香味は柔らかい酸味と甘味が強いが調和しており、どちらかというとタンザニアAAに似ている。 しかし、香りはやや低く、少々物足りなさを感じる。 中煎り程度で、さっぱりとして飲みやすい。
エルサルバドルの水洗式のアラビカ種。 全体的に粒が揃っているが、割れ豆や砕け豆などがやや目立つ。 焙煎時には、やや癖のある香りを発し、他のコーヒーとは違った感覚を受ける。 やや酸味が目立ち、味わいがあるが、香りには物足りなさを感じる。 ブレンド向けか。